X-E2 写ルンです化計画。SG-image 18mm F6.3で小型軽快スナップを目指して

特集
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1.写ルンですとは……

FUJIFILM. 写ルンです™

“写ルンです”は1986年に富士フイルムが発売した 使い切りフィルムカメラ(海外名 FUJIFILM QuickSnap)。

巻き上げ → シャッターを切る → 撮り終えたらお店へ ― という超シンプルな流れで、誰でもフィルム写真を楽しめるのが特徴です。

現行モデル「シンプルエース」はISO400・27枚撮り、内蔵ストロボ付きでいまも量販店やネットで購入可能。現像時はプリントだけでなくデータ化もでき、SNS投稿もラクちんです

写ルンです™ | 富士フイルム [日本]
富士フイルムの写ルンです™についてご紹介します。

2.写ルンですの魅力

魅力ポイント!~ざっくり説明~
エモい発色と粒状感コントラストが程よくゆるみ、粒状が乗った写真はスマホには出せない“フィルムらしさ”全開。
思い通りにいかない楽しさ露出もピントもカメラ任せ。失敗上等で“偶然の一枚”が生まれやすい。
ワンパッケージで完結カメラ・レンズ・フィルムが一体なので荷物にならず、電池も不要(フラッシュ用は内蔵)。
Z世代に刺さるノスタルジー90年代を知らない若者でも「懐かしい」感情を抱き、撮って→現像を“儀式化”してSNS共有する流れがトレンド。

要するに、“写ルンです”は制約を楽しむカメラと言えます。

デジタル世代があえてアナログに飛び込む面白さがウケているようです

【Vol.3】若者でも「写ルンです」は懐かしい!|フライトルーム
なぜ今、「写ルンです」が若者に人気なのか?その要因をVol.2の記事で検討しましたが、今回は、“ノスタルジア感情”に注目し、アンケート調査をした結果をご紹介いたします。ノスタルジア感情の分類については...

X-E2+SG-image 18 mm F6.3で「写ルンです化」

Fujifilm X-E2 って?

  • 16mp X-Trans II CMOS センサー(X-Tシリーズ初代のX-T1と同じセンサー)搭載のレンジファインダー風ミラーレスカメラ(2013登場)。
  • EVF 付で約350g と軽量
  • Wi-Fi転送にも対応。
Just a moment...

SG-image 18mm F6.3 って?

  • 厚さわずか 14mm/78g の超薄型パンケーキレンズ。
  • 35mm 換算約 27mm 相当の広角固定レンズ。MF専用。
  • 37mm フィルターが装着でき、内臓レンズカバーでキャップ不要。

SG-image18mm F6.3 のレビュー記事を書いておりますので、ぜひこちらをご覧ください。

“写ルンです化”するメリット

  • 最短撮影距離0.3 m。パンフォーカス気味なので街スナップとの相性◎
  • 良くも悪くも、全てを写しきることができないため、写ルンですのラフなトーンが再現しやすい
  • ポケットインできる大きさに収まる

4.浅草で軽快スナップ(作例)

以下の写真は全て X-E2+SG-image 18mm F6.3 で撮影を行いました。

地下鉄浅草駅入口

夕暮れ前のビル陰でコントラスト強め。駅看板がクラシカルに映える。

吾妻橋交差点からスカイツリー

画面周辺のビネット(周辺減光)がレンズの味。空のグラデーションがフィルムっぽい。

雷門と観光客

ピント深めなのでフレーミング優先でOK。人物がシルエット気味に入って雰囲気アップ。

宝蔵門の大提灯

赤い柱と影のコントラストで“和”テイストを強調。

隅田公園の盆踊り

F6.3でもISO3200に上げれば夕方祭りも十分写る。群衆の中で目立たず撮れるのが◎。

隅田川テラスの夕景

ハイライトを残してシャドウを潰すと、写ルンです的ドラマティックさが引き立つ。

仲見世裏の路地・ブルーアワー

ネオンサインが滲みぎみに光り、デジタルだけどフィルムライク。

五重塔ライトアップ

手持ち1/15 sでもブレにくい広角のおかげで、赤いライトが艶やかに。

まとめ

写ルンですは、誰でもフィルム写真を楽しめる“体験”をパッケージ化した名機だ。その魅力は、露出もピントも大胆にカメラ任せにしたときだけ得られる偶然性、そして粒状感のあるエモい発色が生み出すノスタルジックな空気だ。Z世代にとっては懐かしさよりむしろ新鮮さが勝り、“わざわざ現像に出す”という儀式までもがカルチャーとして消費されている。一方でデジタル世代が抱える「失敗したくない」という固定観念を外してくれるのも大きな魅力だろう。

今回その精神を X-E2 と超薄型 SG-image 18 mm F6.3 の組み合わせでデジタルに再現した。“写ルンです化”最大の恩恵は、カメラを構えるまでの心理的ハードルが一気に下がることだ。400g近い軽さ、F6.3固定という割り切り、パンフォーカス的な被写界深度──設定に悩む時間がゼロになる代わりに、足を止めた瞬間がシャッターチャンスへと変わる

実際に浅草でスナップした作例を振り返ると、その解像感とゆるいフレア、周辺減光の混ざり具合が、雷門の赤や隅田川の夕焼け、路地のネオンをいっそうドラマティックに引き立ててくれた。旅人と地元客が入り混じる雑踏でも、ポケットからさっと取り出し、構えたまま一歩寄る─そんな軽快さが撮影枚数と熱量を底上げする。

つまり写ルンですとは「制限を楽しむ装置」だ。そしてX-E2+薄型レンズの写ルンです化は、その思想を現代的にアップデートした最適解である。偶然と必然、アナログとデジタル、懐古と革新。その狭間で生まれる写真こそ、いま私たちが最もワクワクできる表現のかたちだと確信している。

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