SG-image 18mm f6.3 | ファーストインプレッション
この白いラインは金属で象られているものかと思っていたが、単純にそのようなペイントでのデザインだった。
これに似たレンズは多数存在するが、これらレンズ群を表せる最大の特徴は「薄さ・安さ」だろう。実際に fujifilm X-E2 に装着してみた。レンズをつけていない状態とほぼ変わらない厚さである。
普段カメラは首から下げるかバックの中に入れておくかのスタイルが多いが、初めて上着のポケットに収納して外出に挑むことができた。画質云々を言うのであればしっかりした、ボディキャップレンズではなく、少なからずカメラボディ以上の厚みのあるレンズを取り付けて撮影を行うべきだろう。
しかしながら、私がやりたいのはいつでもどこでも撮ることである。
今回カメラを構えて、シャッターを切る準備をここまで短縮できる事に、上着のポケットの重みを感じるたびに驚愕を示すしかなかった。
SG-image 18mm f6.3 | 立川駅周辺で試し撮り
立川駅を訪れる機会とレンズの購入が丁度重なったため、外出にあたって早速使用することにした。
四隅にはやはりケラレが目立つ。それにより中央を目立たせるような構図づくりが行いやすくなるだろう。
しかしながら、かつての使い捨てフィルムカメラのような古臭さは感じない。解像感は問題ない。使用に際してトリミングも視野に入るだろう。SG-image 18mm f6.3 はボディキャップレンズでありながら4群6枚のレンズ構成のため、シャープな画質が保たれているのだろう。
焦点距離はフルサイズ換算で27mmとなる。
コンデジのGR IIIはフルサイズ換算で28mmであるため、それと似たような使い心地かもしれない。
ただし絞り値はf6.3固定である。ボケ感を求めた撮影は不可能に近い。
むしろ絞りを触る必要がないため、シャッター速度をautoにしておけばただフォーカスをあわせてシャッターを切るだけである。私は中望遠域のレンズを好んで使うことが多いのだが、ここまで気軽に持ち運べて使える SG-image 18mm f6.3 は新鮮でとにかく楽しさに溢れていた。
広角レンズを使用して建物を撮影する場合には、とにかく絞ったほうが良い。前後をボケずに解像している状態にし、全体をはっきりと写すためだ。
このレンズは絞り値がある程度大きいため、建物の撮影は問題なく行えそうだと感じた。
トイレンズっぽいビネットと解像感は両立しないようで、使用してみると私個人としては「あり」だ。
普段のレンズとは違うオモシロさを、気軽に、不自然でない程度で味わえる「そういうレンズ」だ。
こういう構図が得意なレンズだろう。
端から中央に収着する構図はビネットの良さを活かすことができる。
別の構図でもいろいろと楽しめそうな可能性を秘めているのではないか。
SG-image 18mm f6.3 は使うたびにもっと使えと訴えてくるようなレンズだと思う。
夜間の撮影に挑む。
昼間の撮影の際に、コンパクトさのために付属のフードを取り付けることはなかった。その際に SG-image 18mm f6.3 はフレアが入ることはほぼなかった。
夜間での撮影の場合にも同様のことが言える。相対的に強い光源を被写界に入れたとしても、全体としてゴーストは表れない。
レンズ面で反射が起きにくいという点は、想像と反していた。もっとも、面白みに欠けるかと言われればそうでない。それに惑わされずに被写体を写せるのはこのレンズの強みである。
f値を小さく出来ないため、ISO値を上げるかシャッター速度を遅くするかどちらを選択するか迷うところである。
ISO値を上げた場合、シャッター速度を早いままスピード感のあるスナップに挑めるが、ノイズにより解像感が落ちる。
シャッター速度を遅くする場合、ISO値は小さいままにできるが、長時間露光が必要になり、スピード感にかける撮影になる。
私としてはISO値を上げてしまっていいのではないかと思う。そもそもここまで解像感のあるレンズだとは思っていなかった。むしろISO値を上げてノイズ感を出した方が、「オールドデジカメぽさ」を演出できて、味のある作品に仕上がるだろう。
以上4枚はわざと手振れさせた写真だ。
こういうのも面白い。
以上スナップの収穫物。
SG-image 18mm f6.3 | まとめ
注目されにくいがユニークなトイレンズ
SG-imageといえばハートや星形のボケを生み出す特殊レンズが印象的だ。
18mm f6.3はそのイメージを良い意味で裏切るレンズ。軽量かつ薄型で、スナップ撮影を楽しむためのユニークな選択肢として登場した。
実際に試してみるとケラレやトイレンズの個性を活かした構図で、自分だけの写真を気軽に楽しむことができたと感じる。
特にポケットに収めて気軽に持ち運べる点は、日常スナップのスタイルを大きく変える可能性を秘めている。独自の味わいと手軽さで、新しい写真表現に挑戦するのにぴったりな一本だ。
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